2009年11月発行、季刊「文教施設」2009年秋号にてCO2排出削減となる建物の配管延命方法としてNMRパイプテクターが掲載されました。以下、本紙掲載内容一部抜粋です。
築後30年以上が経過し、校舎や施設に使用される給水管や、空調に使われている冷温水配管の赤錆による劣化が進み、配管更新には莫大な費用がかかる上、社会的にCO2排出削減が望まれる。
現在において、その対応に苦慮するケースが全国で増加している。
校舎や施設の躯体寿命は60~70年使用可能であるが、給水や空調に使われている冷温水配管は30年程度で寿命となり、全面更新工事を実施するとなると、 CO2の大量排出と莫大な配管更新費用が必要となる。 そのCO2排出をゼロとすると共に、費用を1/5~1/10に低減する方法についてこれから紹介を行う。 現在、校舎の給水管には、鉄管の内面に塩化ビニルがコーティングしてある塩化ビニルライニング鋼管(VLP管)が使用されている。 この塩化ビニルライニング鋼管は、直管部は錆びていないのに対し、配管と配管の継手部分の劣化が末期的になると延命ができず、給水管の全面更新が不可避となる
※写真(A)、(B)参照莫大な配管取替費用をかけて給水管の全面更新を行うのは無駄が多く、配管が末期的な状態になる前に、早めに既存施設の給水管と空調管の継手部の酸化劣化を防止する事で、建物の躯体寿命まで延命させようとする動きが活発になってきた。 最近、財団法人マンション管理センター監修の「リフォームの実務(オーム社発刊)」と言うマンションリフォームの手引書でも紹介された、 病院のMRIで使用されているNMRを用いた最新の工法『NMR工法』装置により、既存の給水管や空調管をそのまま使用し、赤錆の進行を止め、建物の寿命まで給水管や空調管を延命する事が可能になった。 そこで、既存の赤錆劣化した給水管や空調管を更新せずに防錆を行う事で、修繕費用を90%も削減する事に成功したケースを以下に紹介する。
この事により、『NMR工法』装置設置4週間後で完全に赤錆の進行が停止したと同時に、空調管内の赤錆の表面部、及び水中の赤錆が水に溶けない不動態の黒錆に変化した事で、空調管の赤錆劣化が完全に防止された事が実証された。
写真(E)東京理科大学野田キャンパス
(表3)水質検査試験所における検査経過
10~15年以内に建物の建て替えを検討している校舎や施設において、その建て替えまでの延命策として『NMR工法』装置を使用する事で、大規模な配管取替えをせずに修繕コストを大幅に圧縮する事が可能となった。 更に、最近の新築設計にて防錆目的で使用されているステンレス管に代わり、従来の塩化ビニルライニング鋼管を新築に使用し、すでに古い建物に導入した『NMR工法』装置を移設することで、 新築時のイニシャルコストもステンレス管から塩化ビニルライニング鋼管に変更する事で削減できることになった。
空調管ではステンレス管を亜鉛めっき鋼管(SGP管)に変更し、この『NMR工法』装置を 移設することで、更にイニシャルコストとして配管材料費の大幅削減が可能となった。 高度成長期時代に数多く建てられた学校はすでに老朽化が進み、昨今では耐震工事を行う施設が多く見られるようになった。 外部は補強されていても、給水管、空調管などの配管の内部は目に見えない為に、どうしても対応が遅くなる。 しかし、給水管や空調管などの配管も建物の外部同様に経年劣化しているにもかかわらず、何も対処をしないため、赤錆劣化が進行し、気付いた時には莫大な修繕費用を出費することとなる。 経年劣化した建物の配管であっても、高額なステンレス管を使用せず、『NMR工法』装置を使用すれば赤水を止め、今後の赤錆劣化を防止することができる。 また、ステンレス管は錆びにくいだけであり、錆びないと言うわけではない。 特にエルボ部や、フランジなどの溶接が使われている場所は、赤錆が発生しやすく(写真①)一度、赤錆が発生するとクラックや流れ錆が次々と連鎖反応的に赤錆劣化を起こすと言われる。 『NMR工法』装置を設置後、建物寿命まで給水管、空調管を延命させることが可能になり、一時的な出費も抑えられる為、施設の外壁等に費用をかけられる。 以後ランニングコストなどの出費がなくなる上、新築の建物にも移設が可能な為、学校施設を運営するにあたって経費削減の最良方法と言える。 また、配管更新時に大量発生するCO2の排出がなくなる為、『NMR工法』装置を設置することは、環境に配慮した究極のリフォーム方法であることも、今後の環境教育の現場としては視野に入れておきたいものだ。 『NMR工法』装置の導入は、経年劣化した配管内を内視鏡調査や水質検査で設備前後の効果を確認できる為、安心して導入できる。 配管設備は、目に見えにくい設備だけに、気づかぬうちに赤錆劣化が進行するので、漏水などが起きる前に、まずは「配管の赤錆劣化状態を知り、早めの予防対策をする」事こそが、配管の長期延命のカギと言える。