2023年1月1日発刊「空調タイムス」第2945号にて、三重県松坂市の「ベスパスポーツクラブ」の暖房温水配管における赤錆防止効果を検証したNMRパイプテクター®の導入事例についての取材記事が掲載されました。
以下、掲載内容の要約です。
新型コロナウイルス感染禍が起きた2020年には感染クラスターが起きやすい場所の一つとして、行政や大手メディア、学界が繰り返し一般にアナウンスしたことで、心無い人々からの誹謗・中傷の的にされたフィットネスクラブやスポーツクラブだが、今日では"定期的な運動で免疫力を高め感染症にかかりにくい体づくりがきる場所"として人々から評価され、利用者の足も徐々にではあるが戻りつつある。ただし回復は"途上"であり、一方でせっかく戻って来て貰った利用者のためにサービスの品質は落とせないというジレンマを抱えている。従って、施設機能の維持費がどれだけ抑えられるかが重要となるが、プールや温浴設備を抱えるスポーツクラブは、これらの設備を持たない施設に比べ維持費は高額になりがちだ。特に経年劣化した水系金属配管は放置すれば漏水等のトラブルに繋がり、さりとて交換となれば莫大な費用が発生してしまう。今回、比較的少額で配管更生を実現した三重県有数のスポーツクラブ「ベスパスポーツクラブ」を取材した。
ベストパートナー(代表者=松田丈輔氏、本社・三重県伊勢市川端町205-1、昭和43年設立)が運営する「ベスパスポーツクラブ」は、県内でもトップクラスの施設規模を誇るスポーツクラブとして知られ、フィットネスジム、キッズダンス(ダンススクール)、スイミングスクールと多彩なサービスを、伊勢店(所在地・三重県伊勢市川端町203-2)と松阪店(所在地・三重県松阪市宮町56-1)の2店舗にて提供している。このうち、スイミングスクールは、約30年前に開校した「ベスパスポーツクラブ」にとって言わば"祖業"であり、その優れた指導力は、文部科学賞認可の一般社団法人日本スイミングクラブ協会が定めた全国統一の「泳カ認定」の合格者数"全国1位"の座を20年連続で堅持するほどである。
三重県トップクラスを誇る
ベスパスポーツクラブのスイミングプール
暖房温水往配管に設置されたNMRパイプテクター(矢印部分)
その「ベスパスポーツクラブ」の松阪店では21年12月に、スイミング系統暖房温水往配管(SGP80A)とフィットネス系統暖房温水往配管(同)に日本システム企画(社長=熊野活行氏、本社・東京都渋谷区)の赤錆防止装置「NMRパイプテクター」を採用した。日本システム企画とNMRパイプテクターについては、ベストパートナーの松田社長が知合いの金融機関から「そういうことでお悩みでしたら、こういう会社がありますよ」と紹介されたのが縁だという。NMRイプテクター採用当時は築年数が9年程度で、漏水等のトラブルも起きていなかった。しかし、築20年で10年毎に設備の補修・更新を行っていた姉妹店の伊勢店で、19年に経年劣化が原因で漏水が発生。その時は配管の取替え工事で対応したが、その後、松阪店での設備の定期的な補修・更新を検討する時期にさしかかった際、伊勢店の配管の経年劣化、配管内の水質等の経験から配管の水質を調べたところ、赤錆劣化が深刻な水準まで進行していることが分かった。
松阪店の辻祐希氏(健康運動指導土、プログラム長)は「日頃から自分達(松阪店スタッフ)で断熱被覆を剥がして滲みや漏れ等のチェックはしていて、ピンホールを発見したら応急処置をして専門業者に修理して貰っていたが、ここまで進行しているとは思ってもいなかった」と当時を振り返る。松阪店の空調は、冷房はPACやVRFで行っているが、プール室、子供たち用のロッカールーム等のプール関連エリアの暖房は、ボイラーからFCUに温水を供給するスタイル。往きと還りの配管長は合計150㍍(各75m)もあり、交換となると費用が膨大になる。それに比べ、NMRパイプテクターの費用は遥かに少額で済み、"購入代金はユーザーが効果を確認してから"という日本システム企画の販売手法、ていねいな対応にも安心感が高かったことで導入に踏み切った。
松阪店、伊勢店の両店舗の設備管理を実質的に担当している辻氏だが本業は健康運動指導士。設備管理や維持に関わる知識や技術は自ら学習した。NMRパイプテクターに出会う前は、夏季に塩素投入量を減らしてみたり、バルブ開度を調節してみたり、さらには出入りのボイラー業者に防錆剤の活用を相談してみたりと悪戦苦闘しながら、設備の維持・管理に長年奔走してきた。
辻氏は「伊勢店の経験から、10年目を迎えスチームサウナ用ボイラーやプール濾過器を交換した松阪店では、ピンホールトラブルやFCUの詰まりが起きると覚悟していたが、今になっても起きていない。FCUは定期的にエア抜きをやっているが、水が凄く綺麗なので驚いている。普段から自分達で点検を行っているが、全員が応急処置を来る訳ではないので、毎日の安心感が違う。設備の維持管理に関しては、日頃から『お客様に迷惑をお掛けしないこと』『設備維持でスタッフの負担を増やさないこと』そして『経済的に会社に大きな負担を掛けないこと』と言われてきたのでNMRパイプテクターによる配管の赤錆防止・更生はとても助かっている」と評価する。
感染禍が発生した20年には「ベスパスポーツクラブ」も利用者数の面で影響を受けた。「利用者の方が戻り始めたのは感染禍発生から1年くらい後。まず子供たちが戻って来てくれて、後に続く形で大人の方も。まだ、感染禍以前の水準には戻っていないですが、人々の間で"運動して免疫を高めよう"という機運が盛り上がってきているのを日々実感じています。完全回復にはもう少しかかるので、それまでは、経費は抑えられるに越したことはない。その意味でも日本システム企画とNMRパイプテクターには感謝しています」と辻氏は結んだ。