2018年7月18日発行の空調・冷熱業界の専門紙「空調タイムス」に、NMRパイプテクター®の導入先「聖イグナチオ教会」の空調冷温水配管の赤錆防止効果検証、及び空調の効きが向上した旨の取材記事が紹介されました。
以下、掲載内容の要約です。
信徒ならば「カトリック麹町教会」ですぐに通じるが、一般人は「東京・四ツ谷駅前の『聖イグナチオ教会』」と言われて「ああ、あの上智大学のそばにある教会」と膝を打つ者が多い。
その歴史は今から80年以上前の1936年(昭和11年)。麹町に設立された「聖テレジア教会」に遡る。この教会が1945年の東京大空襲で全焼、同じイエズス会に属する上智大学クルトゥルハイム聖堂を臨時の教会として使いながら、1949年に新しい聖堂を建設、名もカトリック修道会イエズス会の創立者にして初代総長であった聖イグナチオ・デ=ロヨラの名を冠し聖イグナチオ教会に改めた。それから半世紀が経つなかで、信徒が急激に増加し、加えて建物も老朽化が進んでいたことから1999年に、鐘楼、主聖堂、信徒会館から成る現在の建屋に建て替えられた。
空調システムは主聖堂、信徒会館ともセントラル(中央熱源式)で、FCUを主力とし、一部はAHUを使用、熱源設備は信徒会館の地階の機械室に集中配置されているが、竣工から間もなく20年が経過するなか、経年劣化が目立ってきた(熱源側は6年前に設備更新を実施)。
竣工から5年間は建設・設備会社の頻繁な巡回監視があったが、それ以降は都度出動方式に移行。信徒で構成する施設委員会を立ち上げ、長期修繕計画の立案・実践に取り組み出した。空調の不調の主因は、冷温水配管内での赤錆の発生による管の狭窄(きょうさく)。配管の更新(取替え)も検討したが「国の補助金制度を活用したとしても総工費は億円単位と莫大で、工事期間中は空調が使えず、しかも目に見える部分しか取替えられない(ので根治には至らない)」(カトリック麹町聖イグナチオ教会の大塚裕章氏)として、他の方法を探していたところ、日本システム企画(社長=熊野活行氏、本社・東京都渋谷区笹塚 2-21-12)のNMRパイクテクターに辿り着いた。前出の施設委員会での審査にも合格し、すぐに予算化。今年(※2018年)5月に、冷温水の主配管(還側)1カ所に設置し、NMRパイプテクターの赤錆防止効果検証を行う事となった。
まだ冷房運転が始まる前だったため、二次冷媒配管(冷温水配管)の送水ポンプのみを動かし続けて水を循環。水中の全鉄値はNMRパイプテクター設置時が1㍑当たり240㍉㌘だったものが、設置2週間後には同じ水なのに同2.7㍉㌘、4週間後には同2.6㍉㌘と凡そ100分の1まで減少、水の色も茶褐色から無色透明へと劇的に変化した。これによりNMRパイプテクターの赤錆防止効果の検証ができた。何よりも「信徒会館に長年通い続けているシスターから『最近、空調の効きが良い』と言っていただけたのが嬉しい」と大塚氏は効果に満足の様子。
「聖イグナチオ教会も含め、多くの教会は信徒の方々からの寄付で成り立っている。(NMRパイプテクターで配管延命ができたことで)コストが1/10以下で済んだので、配管更新費用がほとんど要らなくなった。その分、先々に必ず訪れる建物の建て替え費用の積み立てに回せるのも、とても大きな意味がある」と大塚氏は評価している。