2022年9月25日発行の「マンション管理新聞」第1215号にて、NMRパイプテクターについて掲載されました。
愛知県名古屋市の「宝マンション守牧」(築33年、6階建て15戸)でのNMRパイプテクター導入実績と、設置5年後の赤錆劣化防止・黒錆化の効果検証を行うために実施した内視鏡調査、及び効果検証結果が紹介されました。
以下、本紙掲載内容の要約です。
日本システム企画(本社東京)が開発した配管延命装置「NMRパイプテクター」を設置して約5年経過、このほど設置5年後の内視鏡調査を実施したマンションを訪ねた。愛知県名古屋市の「宝マンション守牧」(築33年、6階建て15戸)だ。報告書を見た福田義久理事長は「設置前に比べて26.5%改善されているとの結果だ。確かに写真を見ても、錆こぶの山々が平坦になってきており、立体的に見て閉塞している容積が確実に減っていることがわかる」と装置の効果を確信する。
宝マンション守牧がNMRパイプテクターを設置したのは2017年10月である。
日本システム企画の説明では、NMRパイプテクターは水溶性の赤錆を不溶性の黒錆に還元することにより、赤錆の体積を収縮し、赤錆閉塞を少しずつ改善すると同時に、黒錆の強固な被膜で保護し、配管内全体を更生させる装置である。
2017年10月にNMRパイプテクターを設置した宝マンション守牧
高架水槽の2次側配管にNMRパイプテクターを設置。
左が石榑照彦元理事長、右が福田義久理事長
その2年ほど前に、同マンションでは排水管のライニング工事を実施している。排水管に通称白ガス管と呼ばれる亜鉛メッキ鋼管が使用されていたこともあって劣化が進展、漏水事故も起きていた。しかも、スラブ埋め込み配管だったため、現在の配管ルートそのままで更生するライニング工事を選択、実施された。
「腐食で台所の立ち上がり管の肉厚が薄くなっていて工事中に破裂するなど更新せざるを得ない箇所も出たが無事終えた。耐用年数限界ギリギリで間に合った。排水管ライニングは正解だった」(福田理事長)
排水管と同様にスラブに埋め込みされた給水管もライニング工事実施の提案が管理会社からなされた。福田さんは当時、管理組合の役員ではなく一区分所有者としてこの動きに危機感を持った。
マンション管理士としても活動していたこともあって、各方面から情報も集まり、「当時はスラブ埋め込みなら露出配管かライニング工事の二者択一だろうと言われていた」。露出配管したマンションの施工例を見たが、建物中配管だらけで美観が崩れて「みっともない」。
ならば、ライニングか?
「配管内の錆を取り除いて樹脂を塗るのがライニング工事だが、塗り残しがないのか、塗った樹脂が剥がれたりしないのか?汚水を流す排水管と違って給水管を通った水は毎日口にするもの、安全性は最も大事な点だ」
「当マンションの給水管には塩ビライニング鋼管が使用されている。直管部分にはほぼ錆がなく、ネジ接合の継手部分が錆で腐食する。だから継手部分の対策だけでよく、全体をライニングする必要がない」こう考えた福田さんは新たな劣化対策方法の情報収集に入り、NMRパイプテクターと出会う。
「連絡をとって資料をいただいた。かなり学問的で筋の通ったことが説明されていた。深いところまで理解できたわけではないが、“これはいける”と判断した。当時の理事長の協力を得て、総会前までにこの資料をマンション内で回覧、理解を促した」という。
7月の定時総会では管理会社が提案したライニング工事と福田さん等が提案したNMRパイプテクター案が審議されたが、決議にまで至らず保留となった。総会での空気からNMRパイプテクターへの理解が進んでいると感じとった。福田さんらは組合員の5分の1以上の同調者を集めて臨時総会の開催を要求、9月に臨時総会が開催され、その場で全員賛成でNMRパイプテクターの導入が決議された。
NMRパイプテクターの利点として次の4点を強調した。
①費用がライニング工事の約半額で、差額を他の修繕費用に回せる
②装置自体は10年保証
③設置工事が簡単で各戸に全く負担がない(排水管ライニング工事の際の負担が大きかった)
④効果保証(錆の閉塞率改善に一定の効果が得られない場合には代金を返金すると同時に装置を取り外し設置前の状態に復旧してくれる)
臨時総会で配布された導入実績資料の中に管理会社の親会社が経営している「スーパー銭湯」でもNMRパイプテクターが導入されていたことも後押しした。
設置前 | 設置1年後 | 設置3年後 | 設置5年後 | 閉塞改善率 | |
---|---|---|---|---|---|
303号室 |
13.6% |
11.7% |
10.8% |
10.0% |
26.5% |
501号室 |
48.3% |
45.4% |
43.4% |
42.1% |
12.8% |
導入して5年がたった。上記の表のように、設置1年後、3年後、5年後の内視鏡調査では着実に閉塞率が改善されていることがわかる。この調査に対しても「効果の見える化につながる」と元理事長の石榑照彦さんは高く評価した。
ライニング工事の約半額で劣化対策ができたことで、その差額を2年前に実施したエレベーター交換の際、既存不適格改善工事に加えて停電時自動着床装置など様々な安全性を向上させたグレードアップ上乗せ工事費に回すことができた。
「ライニングをやっていたら10数年後に新たな対策が必要となる。NMRパイプテクターなら衛生的に建物の耐用年数まで維持できると考えている。そこまで行かなくても配管更新をできるだけ先に引き延ばせる」と福田理事長は語る。
上記効果検証に対して「嘘」「効果なし」と誹謗中傷し、配管更新へ導くブログが存在しますのでご注意ください。