2024年9月25日「マンション管理新聞」第1281号にて、ハイツオークラ東灘でのNMRパイプテクター設置9年後に行われた内視鏡調査結果について掲載されました。
以下、本紙掲載内容の要約です。
兵庫県神戸市のハイツオークラ東灘は2015年5月にNMRパイプテクターを給水配管に設置。
パイプテクター導入の経緯や評価、今後について聞いた。
設置1年後、3年後、6年後に配管継ぎ手部のさびの閉塞率調査を実施し、2024年4月には設置9年後の調査を実施した。
「マンションによって改善率が少ない多いはあると思うが、確実に改善し、錆の進行が見られない。
本当に設置してよかった」こう話すのは修繕委員長の塩山忠男さん。
「今回の調査結果を受けて、メーカーの日本システム企画の担当者からパイプテクターの設置で今後30年以上は保護され、
配管のメンテナンスは不要との報告を理事会で発表いただいた。私が推し進めてきた対策の後押しにもなり、
良かった。」と塩山さんは語る。
設置のきっかけは地元テレビ局のサンテレビの番組だった。時代をリードするアイデアや取り組みを紹介する番組
「賢者の選択」に日本システム企画の熊野活行社長が登場し、パイプテクターを紹介した。塩山さんは「これだ」と思った。
14年11月2日の番組放送後、12月の理事会で塩山さんは早速、番組の中で、熊野社長が語った「酸化による
赤錆を電子の力で黒錆に変えて配管を更生し、外部腐食がない限り、配管の長期延命を可能にする」
(塩山さんのメモ)パイプテクターの説明を行い、委員会で導入を検討している旨を報告している。
同マンションは2009年7月に給水管オゾン洗浄を行っていた。5年サイクルでの洗浄の必要性を言われていたことから、
「そろそろその時期を迎えるがどうしようか?」と考えていた頃でもあった。
洗浄は1世帯当たり5~6万円の費用が必要で、5年サイクルだと多額に資金を要する。
配管更新になると更に高額の工事費となり、工事期間中の住民の負担も大きい。
工事に伴う騒音や粉じんの発生の影響も大きいことから、
(外側に取り付ける)「パイプテクターなら住民に迷惑をかけない」と思ったと言う。
理事会報告後、当時の理事長が会社を調べて、担当者を呼んで説明を受けた。 また、大手建設会社に勤務していた元理事長の後押しもあり、理事会、総会決定を経て正式に導入を決定、15年5月に設置した。 番組を見てから約半年後のことだった。 「費用は考えていた更新費用の4分の1以下で済んだ。何より工事に伴う住民の負担がなく助かった」 (塩山さん)
設置前 (H27.04.09) |
設置10ヶ月後 (H28.04.07) |
設置34ヶ月後 (H30.04.05) |
設置71ヶ月後 (R03.04.08) |
設置9年後 (R06.04.04) |
改善率 | |
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508号室 |
54.8% |
53.5% |
49.1% |
48.2% |
47.5% |
13.3% |
601号室 |
51.9% |
50.3% |
49.9% |
47.4% |
43.1% |
17.0% |
設置前の赤錆閉塞は54.8%(508号室)と早期の対策を必要としていた。 パイプテクターを高架水槽の2次側と揚水ポンプの2次側に計2台設置した。 今回の設置9年後の調査では47.5%で13.3%改善していた。 この図はパイプテクター設置後の経過年数別の閉塞率改善データだ。赤錆の黒錆化への還元体積収縮反応により 閉塞率は確実に改善していることがわかる。