更新:2022年12月6日
全ての建物が直面する配管の赤錆問題は赤錆が水に溶けることで水道水が赤く(または茶色く)濁る「赤水」、赤錆閉塞による「給水配管の詰まり」、給水配管の腐食によって起きる「水漏れ」です。 目につくような赤水でなくても赤錆が溶け込んだ水道水を長期的に摂取している可能性もあります。 日本システム企画株式会社の「NMRパイプテクター®」は配管を切らず配管の外側より設置できる配管内赤錆防止装置です。スコットランド王立銀行は今まで配管内の赤錆対策に薬剤である防錆剤が多量に使われていました。化学薬品である薬剤の防錆剤は環境負荷が高く、SDGsを目指す社会の中では多量の使用は不適切であると言えます。 そこでスコットランド王立銀行はNMRパイプテクター®を導入することで薬剤フリーのメンテナンスを行い、SDGsの方針に繋げる取り組みを行いました。
実際にNMRパイプテクター®を導入してSDGsの取り組みを実践し、大幅なコストダウンも実現したケースがあります。
英国を代表するメガバンク、スコットランド王立銀行です。
SDGsの取り組みの為にNMRパイプテクター®を導入し、
空調配管の薬剤投与を中止した「スコットランド王立銀行」
スコットランド王立銀行は1722年にジョージ1世の勅許により設立した、280年近い歴史ある銀行です。 本社はスコットランドの首都エディンバラにあり、略称して「RBS」とも呼びます。 スコットランドでも昔は準大手の地位にあった銀行ですが、積極的な拡大路線を進める中で買収や吸収・合併を繰り返し、その規模を拡大し続けます。 2000年にはイギリスの四大銀行であったナットウエストの買収にも成功し、名実ともに英国を代表する銀行となりました。 その活躍の場は国内に留まらず、アメリカをはじめ、ロシアや日本へも進出を果たしています。 なかでもアメリカではニューヨーク州に拠点のあるシチズン銀行や、メロン・フィナンシャルのペンシルベニア州にある支店網の買収などによって影響力を強め、ユニバーサル銀行としての地位を確立しました。
スコットランド王立銀行は、新たなシステムの導入にも積極的です。 1985年には自動車保険の会社を設立し、保険業界にも参入しました。 その際に導入したのが電話による保険販売のシステムです。 自動車保険会社ダイレクト・ラインによる新たな販売システムはイギリスの自動車保険を変えたともいわれています。 現在では一般的になったダイレクト・バンキングもいち早く導入しています。 1997年にはイギリスで初めてインターネット・オンラインサービスを全面的に開始しました。 長い歴史のなかで200以上の銀行を買収・合併する一方で、革新的なアイデアで時代をリードしてきた先駆者的な銀行といえます。 そんなスコットランド王立銀行ですが、現在も大きな分岐点を迎えています。 2020年後半に銀行名を「ナットウエスト」に変更すると発表したのです。 伝統ある銀行の新たな歴史の幕開けです。
買収や吸収・合併により英国を代表する銀行となったスコットランド王立銀行ですが、すべてが順調であったわけではありません。 拡大路線であったために、リーマンショックを引き起こした2000年代後半の世界的金融危機において経営難に陥りました。 その際に多額の公的資金を注入し、株式の多くを英国政府が保有することになります。 不良債権の整理や経費削減はもちろんのこと、支店の統廃合、リストラなど多くの難しい選択を迫られました。 経営難によって54の支店も閉鎖しており、とても厳しい経営状況でした。 一方で注目したいのが、環境を重視する経営方針です。 英国を代表する金融機関の1つとして数多くのビルを保有していますが、そのメンテナンスにおいても環境を重視する経営方針が適用となったのです。 具体的には、環境破壊につながる薬剤の使用を可能な限り減らし、世界初の薬剤フリーメンテナンスの実現を打ち出しました。 そこで浮上したのが、長年に亘って赤錆の問題を抱えていたロンドン市内の第250支店です。
第250支店は、ロンドン市内の北東エリア・ビショップゲートのリバプール・ストリート駅近くにあります。 ビショップゲートは英国の歴史を感じさせる重厚な建造物と近代的なビルが混在し、その一方でファッションやアートなどの流行発信地としても注目が集まるエリアです。 そんなエリアに立地する第250支店はダークグレーのモダンスタイリッシュな外観をしていますが、建築から18年が経過しており、空調温水配管に赤錆発生の問題を抱えていました。 スコットランド王立銀行では赤錆の対策として防錆剤を使用しており、NMRパイプテクター®導入までは第250支店でも同様の対処をしていました。 しかし防錆剤はコスト負担が大きく、また環境への配慮から2018年3月に第250支店の空調温水の配管にNMRパイプテクター®を設置することになりました。 この時点ですでに防錆剤を投与しているにもかかわらず、配管内を流れる温水中には赤錆が溶けており、水が茶色く濁っているような状態でした。
NMRパイプテクター®設置箇所
空調温水配管の防錆効果を実証した「NMRパイプテクター®」
NMRパイプテクター®導入の効果はすぐに現れました。 設置前の温水中の鉄分値が1.10㎎/ℓから9週間後に再調査すると温水は透明で、温水中に溶け出した鉄分の量は約1/3の0.41㎎/ℓにまで減少していました。 配管内も赤錆の進行が止まり、発生していた赤錆は表面から黒錆へと変化していました。 赤錆によって鉄分が水中に溶け出すこともなくなっていたのです。 なお、経過は1年に亘り調査しており、同じ温水中の鉄分の量は最終的に設置前の約1/30の0.03㎎/ℓにまで減少しました。 完全除去ともいえる数値で、人体への影響も心配無用の高水準です。 日本システム企画株式会社のNMRパイプテクター®は、配管を新たに替えることなく赤錆の問題を根本的に解決したといえるのではないでしょうか。その結果薬剤は不要であると判断し、防錆剤の投入は中止となりました。
NMRパイプテクター®の効果について、ここでもう一度確認してみましょう。 スコットランド王立銀行では赤錆が水中に溶け出す問題を解消し、赤錆の進行を止めることに成功しました。 今後、赤錆に悩む心配がなく、赤錆によって配管の老朽化が加速する恐れもありません。 NMRパイプテクター®がスコットランド王立銀行にもたらしたメリットはそれだけでしょうか。 ここで重要なのは、黒錆による副次効果です。 赤錆によって腐食が進みもろくなっていた配管ですが、黒錆に置き換わることでコーティングできました。 黒錆によるコーティングは配管を強化する効果があり、配管の寿命を延ばすことが期待できます。 配管の延命を40年~50年にまで伸ばした実績もあります。 スコットランド王立銀行のように多くのビルを保有している場合、配管の老朽化に伴う更新費用は莫大なものになります。 ヨーロッパは歴史ある古い建造物が多く、保有するビルも建築から長い年月が経過して配管の老朽化が進んだものは多くあることでしょう。 配管の延命はスコットランド王立銀行が抱える問題を鑑みれば、とても大きなメリットであることがわかります。
持続可能な社会を実現する「NMRパイプテクター®」
スコットランド王立銀行のようなSDGsの取り組みを実践する革新的で影響力のある企業がNMRパイプテクター®を導入したのはとても意義あることではないでしょうか。 環境に配慮する経営方針は、2020年4月現在さらに大きな動きを見せ、投資先へも適用しています。 コスト削減のメリットはもちろんのこと、世界的な問題である環境破壊への積極的な取り組みは、他の企業へのよい刺激になるでしょう。 もちろんこういった特別な施設だけではなく、一般的なマンションでもNMRパイプテクター®を導入する事は可能です。 持続性の高い効果は、住まいに長期的な安心感をもたらしてくれます。 赤水など、赤錆の問題が発生してからでも遅くはありませんが、普段は目にできない部分だからこそ早めの対応がおすすめです。