更新:2022年8月18日
NMRパイプテクター®は日本以外にも、世界のさまざまな建物の給水、給湯及び空調配管の赤錆防止に導入されており、 日々世界中の配管を赤錆などのトラブルから守り続けています。 世界の著名な建造物への導入事例として、今回はイギリスの「大英博物館」の空調配管の赤錆防止・配管延命にNMRパイプテクター®が導入された事例についてご紹介します。 具体的にどのように導入されたのか、そしてどのような空調配管の赤錆防止効果があったのかということに関しても詳しく紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
世界で活躍するNMRパイプテクター®
NMRパイプテクター®が導入された
「大英博物館」
まず、大英博物館とはどういった建物なのかついてご紹介します。 大英博物館はイギリスを代表する建物であり、イギリスの歴史や文化を後世に伝えていくという意味でも重要な場所となっているのです。 大英博物館はロンドンにあり、世界各国の歴史ある美術品・書籍・宝物などを約800万点も展示・収蔵している世界最大級の博物館です。 展示されている場所の面積は56,600平方メートルであり、これは東京ドームの広さをも上回るものです。常設で展示されているものだけでも15万点ほどもあるため、1日で展示物を見ることはほぼ不可能と言えるでしょう。誰もが知っているような美術品や書籍などが数多く並んでおり、それらが国や地域別に並んでいるため、興味のあるエリアから見て回ることが可能です。 大英博物館は1753年に設立されました。内部はグレート・コートと呼ばれる無柱のガラス屋根を備えた中庭が2000年に建設されるなど、改築・増築等がなされている部分もありますが、設立当初から変わらず残っている部分も数多くあります。ちなみに来館者の半分以上が外国人観光客であり、各国語版の案内書もあるため英語が苦手な方でも比較的容易に内部を見て回ることが可能です。またこの規模の博物館でありながら、入場料が無料となっているところもうれしいポイントです。
大英博物館には、誰もが一度は名前を聞いたことがあるような収蔵品が数多く展示・収蔵されています。以下に代表的な収蔵品をいくつか挙げていきます。
このようなイギリス・ロンドンを代表する建造物の大英博物館ですが、大英博物館には建物の配管設備などに関していくつかの問題点があります。代表的な問題点について解説します。
前述したとおり大英博物館は1753年に設立され、内部は改築や増築をしているところもあるものの設立当初からそのまま使われているところもあり、老朽化が問題となっています。
特に表からは見えない配管設備などの裏側の設備に関しては、補修や改築などが行われていたとしても数十年前であったりするようなこともあり、古くなったまま使われているようなところもあるのです。
配管は老朽化すると錆びついてしまい、最悪の場合には壊れて水漏れを引き起こしてしまうようなことにもなります。
そのようなリスクがある場所が、大英博物館には数多く存在していたのです。
漏水した配管イメージ
大英博物館は貴重な美術品を数多く所有
配管の錆で問題になるのは、配管の腐食・破損が進んでしまう「赤錆」です。 赤錆が出てしまうと「赤水」が発生してしまったり、最悪の場合には配管が壊れたりすることがあります。 世界各国の貴重な収蔵品を数多く抱えている大英博物館では、そもそも配管の赤錆による収蔵品の保存状態への影響は最小限にしておきたいところです。 さらに配管が壊れて水が漏れるようなことがあれば、収蔵品へのダメージもさらに大きなものになってしまいます。 貴重な収蔵品を守り、より良い保存状態で今後も収蔵品を展示していくためにも、配管の老朽化・赤錆による被害は食い止めなければならなかったのです。
大英博物館の配管を守るために、NMRパイプテクター®は大きな役割を果たしています。 では具体的に、大英博物館ではどのような流れでNMRパイプテクター®を導入したのでしょうか。 実は配管を守り、老朽化を食い止めるための手段はNMRパイプテクター®以外にも考えられました。 以下の2つが、NMRパイプテクター®以外の選択肢として挙げられます。
配管の段階的な取り替え工事は配管自体を新しくするため効果的ではありますが、取り替える工事の間に長期間の断水状態が生じてしまうというデメリットがあります。 大英博物館にはレストランなども併設されているため、観光客への打撃も大きなものとなるでしょう。 また費用に関しても、NMRパイプテクター®のコストよりも20倍以上割高になってしまうというデメリットがあります。バイパス管フィルタリングシステムとは、将来的に赤錆を発生させにくいように配管に逆浸透膜を追加したフィルターを設置し防錆剤も使用するものです。これは既存の赤錆に対しては直接的な効果がないため、まずは沈殿している赤錆を除去するための薬品を配管に投与する必要があります。 しかし薬品の投与は展示物への影響が考えられるため、博物館側からは許可されていません。 加えて工事期間中に漏水の発生がある、すでに脆くなっている配管には効果がない、NMRパイプテクターの導入コストの10倍以上の莫大なメンテナンスコストがかかるなどのデメリットもあります。 こうした他の選択肢に比べると、NMRパイプテクター®はコスト面、博物館の運営上における影響面などにおいてベストな選択肢であったために、大英博物館に導入されることとなったのです。
コスト面、運営面においてベストな選択肢であった
NMRパイプテクター®
NMRパイプテクター設置の画像一例
実際に、NMRパイプテクター®は大英博物館内の「F地区」にあるボイラー室の主要温水配管に試運転で導入されました。 導入後にはまずは効果測定を行い、実際に赤錆に対して防止効果があるのかを確認します。 防錆効果は5週間で確認できました。水中の鉄分の含有量で効果があるのか否かを確認するのですが、設置前には1リットルあたり赤錆による鉄分値が20mgであったものが、設置から5週間で同じ循環している水中の1リットルあたりの鉄分値が0.2mgとなり、100分の1にまで減少したのです。 このことから新規の赤錆の発生を防止し、同時に既存の赤錆がほとんど水に解けない黒錆に変化し、赤錆劣化が完全に防止されたことが立証されました。
このようにNMRパイプテクター®を導入して空調配管の赤錆劣化の心配がなくなった大英博物館ですが、具体的にNMRパイプテクター®を導入したことで大英博物館には実際にどのような効果があったのでしょうか。 NMRパイプテクター®導入によってもたらされる具体的な効果について紹介します。 NMRパイプテクター®は、導入することによって既存の赤錆を「黒錆」に変化させることが可能です。 黒錆は「錆」という漢字が使われてはいますが、赤錆とは全く異なった配管にとって有益な物質です。 黒錆は南部鉄瓶や中華鍋などのコーティングにも使われている物質で、鉄を保護して赤錆から配管を守る役割を果たします。 NMRパイプテクター®は、赤錆が生じてしまった箇所を少しずつ黒錆に変化させることで赤錆を除去することなく、腐食が進んでいる赤錆の配管部分を体積1/10の固い黒錆によるコーティングをすることで、腐食部分を強化ケアすることができます。赤錆部分が黒錆に変わっていくことで配管内の黒錆コーティングが進み、老朽化してしまった配管の強化が進みます。その結果、配管を取り替えることなく、錆に強い配管へと生まれ変わらせ配管を延命させることができます。
鉄をコーティングする黒錆の例「南部鉄瓶」
「大英博物館」館内
NMRパイプテクター®によって空調配管内の赤錆が黒錆に変わることで、配管は赤錆劣化しない強い状態を維持できます。 その結果大英博物館では、前述した配管の赤錆による被害や水漏れのリスクを回避できるだけでなく、今後の展示物への赤錆の影響についてもリスクを解消することが可能となりました。 NMRパイプテクター®を導入することで配管設備の入れ替えなどによる断水などの心配もなく、また大きな改築工事による展示物への影響も防ぐことができました。大英博物館は完全に空調配管の赤錆劣化のリスクから解放されました。 NMRパイプテクター®を導入するだけで、配管の赤錆劣化の心配がなくなったのです。
大英博物館では貴重な収蔵品が数多くあるため、温度管理が重要であり空調配管の赤錆劣化の影響に対してはとてもセンシティブな環境でした。 またイギリスを代表する観光スポットでもあることから、断水、さらには休館などの措置が必要な配管更新工事をせずに配管延命が必要でした。 さまざまな選択肢の中からベストな選択肢として、コスト面では1/10から1/20で博物館の運営上における悪影響もなく防錆機能が優れているNMRパイプテクター®が選ばれました。実際に導入されて博物館の配管内の赤錆を黒錆化する事で今後の赤錆のリスクをなくすことができました。 赤錆を黒錆に変化させるという新しい発想で配管を取り替えることなく配管の強度を強化できるNMRパイプテクター®は、配管設備の更新工事をしたくない、断水などの期間を挟みたくないなどという事情を抱えている建物には特におすすめです。 ぜひ一度、NMRパイプテクター®の導入について検討してみてはいかがでしょうか。