更新:2022年8月24日
日本はかつて、高度成長期からバブル期にかけて、オフィスビル、病院、マンションなどを次々と建設しました。
そのため現在では、急速に建物の経年劣化が進み問題となっています。
建物本体は、適切なメンテナンスを施せば、まだまだ使用していくことは可能です。
しかし、給排水や空調冷温水に欠かせない配管への対策は難しく、建物本体の寿命は50年以上とされるのに対して、配管の寿命は赤錆劣化による腐食や赤水の発生によって20年程度といわれています。
そんな中、日本システム企画が開発した「配管赤錆防止装置NMRパイプテクター®」が注目されています。
NMRパイプテクター®は大規模な配管更新工事が必要なく、配管の外側に設置するだけで配管の赤錆劣化を防止できるため、画期的だと評されています。
NMRパイプテクター®について、TOKYO MXのビジネス番組「企業魂」で詳しく取り上げられましたので、本連載ではその内容をご紹介します。
TOKYO MXのビジネス番組「企業魂」にて
NMRパイプテクターが紹介されました。
赤錆防止装置NMRパイプテクター®を開発した日本システム企画株式会社は、現在日本に9拠点、イギリスとアメリカにも拠点を構え、日本だけでなく世界の配管内赤錆防止・配管延命のニーズにも応えています。 会社を設立した熊野社長は、幼少時から防錆に強い関心があり、小学3年生の時に、ガラス瓶に水と錆びた釘を入れて乾電池で錆をとめる実験をしていたほどでした。 熊野社長のそういった研究者としての素養が存分に発揮され、NMRパイプテクター®は誕生したのです。そして、1996年7月より販売がスタートしました。
水道の蛇口から流れてくる水が赤く濁っていた経験はありませんか。
これは配管の鉄が配管内の水と酸素によって反応し、赤錆が発生したためです。
赤錆は水に溶けやすいため、水が濁る・臭いがするなどのトラブルの原因となります。
上記のような赤水の発生だけではなく、配管閉塞や、配管を結合しているねじ山の脱落による漏水など、配管内の赤錆を放置すると腐食が進み、様々なトラブルが生じる可能性があります。
赤錆劣化した配管内
配管内の赤錆対策として、「配管のライニング工事(更生工事)」と「配管の更新工事(取替え工事)」がよく知られています。
ライニング工事とは、今ある配管の内側を砂ヤスリで研磨し、特殊なエポキシ樹脂で配管内をコーティングする工事です。
しかし、研磨の際に錆びない配管の直管部の塩化ビニール層自体が傷つき劣化するなどの欠点があり、エルボー部など塗布が十分でないところから赤錆が再度発生するので7~10年程であらためて配管更新工事を行う必要があります。
配管更新工事は、配管を新品のものと交換する工事です。
大規模な断水工事が必要なため、かかるコストも膨大です。
また、ライニング工事、更新工事いずれの場合も、工事中は断水になりトイレや風呂が使えず、建物の利用者には大変な不便を強いる事になります。
一方で、NMRパイプテクター®の場合、装置を配管の外側に取り付けるだけで工事は完了し、完全に配管内の赤錆を防止するので更新工事に伴う、トイレやお風呂の問題を解決する事ができます。 NMRパイプテクター®の優れた点を整理すると以下の3つが挙げられます。
NMRパイプテクター®は赤錆を黒錆に変化させる機能を持ちます。 水の凝集体を小さくし、ポンプの圧力でそれが流れるエネルギーを利用して水の自由電子を放電させ、配管内の赤錆を黒錆に還元するのです。 新たな赤錆の発生を抑えつつ、既存の赤錆を黒錆に還元し赤錆閉塞を縮小させ配管自体を強化します。
配管内の赤錆防止装置「NMRパイプテクター®」
先にもお話し致しましたが、赤錆は水に溶けやすいため水を濁らせて赤水を発生させ、また体積も大きく赤錆閉塞といわれるような配管の詰まりを引き起こします。
一方で、黒錆は水に溶けず、体積は赤錆の10分の1以下の非常に堅い物質です。
黒錆は鉄の表面に緻密な皮膜を形成し、鉄を赤錆腐食から守ります。
黒錆は古来より錆止めとして使われており、現在も南部鉄瓶や中華鍋などの鉄のコーティングに使用され、何百年も赤錆を防止してます。
赤錆防止装置NMRパイプテクター®は黒錆のもつ利点を活かし、配管内の赤錆を防止し配管の延命を実現しています。
鉄をコーティングする黒錆の例「南部鉄瓶」
NMRパイプテクター®で実際に配管内赤錆防止を検証し導入した2つの事例をご紹介します。
東京都目黒区にある「ホテルサーブ渋谷」では、熱源装置から冷房と暖房の水を循環させていますが、配管内の赤錆の発生が確認されていたため、赤錆を防止する対策を打つ必要がありました。
もし建物全体で配管を交換するとなると、1億6000万円という高額な費用と、約1年にわたる工事が必要となり、現実的には不可能なことでした。
そのような状況で、NMRパイプテクター®を知ったホテルの担当者は、導入の際に大規模な工事を必要しない点とコストパフォーマンスに魅力を感じ、赤錆防止装置NMRパイプテクター®の導入を決めました。
NMRパイプテクター®導入による赤錆防止効果は絶大でした。導入前の空調配管内の循環水は茶色に着色し細かな赤錆が混入していましたが、導入して約1ヶ月半後の同じ循環水は赤錆の着色もなく色は透明でした。
NMRパイプテクター®の赤錆防止効果に満足して頂き、同ホテルの八木社長から、「配管内の赤錆は止まり、現在は非常に順調です。導入費用は1億6000万円かかるところが500万円で済みました。また、配管の取り換えも行わないので、断水の必要もなく休業しないで済みました。」と感謝の言葉を頂戴しました。NMRパイプテクター®の導入費用は、今回の空調冷温水配管の赤錆防止では配管更新費用の1/30でした。一般的に給水配管へ赤錆防止装置NMRパイプテクター®を使用すると配管更新に比べて費用は通常5分の1~10分の1程度で済みます。また、導入の際に断水を伴う大規模な工事を行う必要がありません。そのため、施設の機能を維持したまま赤錆対策をすることが可能です。
圧倒的なコストパフォーマンスと配管内の赤錆劣化対策に伴う設置工事の手軽さが、多くのお客様からご満足いただけている理由として挙げられます。
埼玉県さいたま市にある「社会福祉法人城南会 ケアハウスしらさぎ」も配管内赤錆防止装置NMRパイプテクター®を導入した重要施設の一つです。
導入前は、給水配管と給湯配管で赤錆が発生しており、施設の設備点検のために水やボイラーを止めると、その後、毎回配管内の赤錆劣化によって赤水が出るような状況でした。
NMRパイプテクター®導入の赤錆防止効果は絶大で、
「驚くくらい配管内の赤錆が早くに無くなり、設備点検に対するストレスが一切なくなりました。NMRパイプテクターを導入して本当に良かった。」と同施設の統括事務長の新井氏に喜んで頂く事が出来ました。
NMRパイプテクター®は、最短でおよそ1ヶ月でその配管内の赤錆防止効果を確認することができます。
配管内の水から赤錆が出ないという目に見える効果はもちろん、設置後におこなう効果測定では、具体的な赤錆による鉄分値などの数値が減少する事で、定量的に防錆効果を評価する事が可能です。
また、消耗する部品や薬剤などを使用していないため、配管延命のためのランニングコストは不要です。
NMRパイプテクター®自体のメンテンス作業も必要ないので、保守管理に掛る人件費や負担を削減することにも繋がります。
分かりやすい赤錆防止効果と導入後の手間の少なさも、お客様から評価を頂いている利点です。
NMRパイプテクター®は日本国内にとどまらず海外でもその防錆効果とコストパフォーマンスの良さを高く評価され、多くの重要施設に導入されています。
海外での導入事例のご紹介とNMRパイプテクター®の今後の展望についてお話しします。
配管内赤錆防止装置NMRパイプテクター®は、世界中で4,300棟以上の多くの建築物の配管内赤錆防止に採用されています。 特にイギリスで多くの導入実績があり、バッキンガム宮殿、ウィンザー城、大英博物館をはじめ、マリオットホテルやNHS(National Health Service)の病院など200棟以上の建物で採用されています。 ここで、NMRパイプテクター®が老舗高級百貨店「ハロッズ・デパート」での採用を皮切りに、英国女王の居城であるバッキンガム宮殿に採用された経緯をご紹介します。
はじまりは、イギリスの老舗高級百貨店「ハロッズ・デパート」のお客様用トイレの給湯配管から赤錆による赤水が発生したことでした。 ハロッズ・デパートにて急遽NMRパイプテクター®が導入され、配管内の赤錆を黒錆に変えることで、約1ヶ月半で給湯配管から赤水の発生を完全に止めることができました。
当時、「ウィンザー城」のクインズタワーもまた給湯配管に赤錆劣化問題を抱えていました。 NMRパイプテクター®は、ハロッズ・デパートでの防錆効果に満足したハロッズの役員によって、ウィンザー城へ紹介されました。 ウィンザー城でも、設置前は赤錆によって赤茶色に濁っていた湯水が、NMRパイプテクター®を設置後まもなく透明になり、完全に赤錆防止を実証しました。
ウィンザー城など歴史的建築物における導入実績が評価され、バッキンガム宮殿でもNMRパイプテクター®がエリザベス女王のお部屋に行く空調配管・給湯配管内の赤錆防止の為に設置されました。 英国女王の部屋の周辺は安全保障上、原則立ち入りが禁止されていますので配管更新工事はできません。 NMRパイプテクター®は空調配管・給湯配管内の赤錆を完全に防止し、配管の更新工事が不要なので、女王陛下の部屋周辺に業者が立ち入ることなく、また騒音や断水などで困らせることもなく、空調配管・給湯配管の赤錆劣化に関わる問題をスマートに解決しました。 このように、NMRパイプテクター®は国内外において全て赤錆防止効果を実証して導入されています。
バッキンガム宮殿でも導入されたNMRパイプテクター®
最後に、NMRパイプテクター®の今後の可能性についてお話したいと思います。
これまでNMRパイプテクター®は、建物・施設単位での配管の赤錆防止を目的とした導入が主でしたが、水道インフラとしての配管の赤錆劣化防止事業に貢献する事が期待されていると熊野社長は述べます。
2018年に国内では水道事業の民営化が可能となる改正水道法が成立し、翌年2019年10月より施行されました。
全国の水道配管の多くが1960年代以降に整備されており、半世紀以上経過した現在、水道管の赤錆劣化による老朽化が問題となっています。
しかしながら赤錆によって老朽化した配管を取替えようにも、それに見合う収入がないために、水道料金の値上げに踏み切る自治体もでてきています。
政府試算では、水道インフラを維持するために必要な予算について、30年で60兆円という途方もない数字がはじき出されています。
このままでは、水道料金が大幅に上がることが心配されます。
しかしながら、NMRパイプテクター®は、水道の配管を取り換える費用の約20分の1以下で赤錆を防止し、配管を延命する為の設置が可能です。
水道料金を現在の水準に保ったまま水道事業を行うためにも、日本システム企画株式会社が水道の配管のための市場を開拓し、社会に貢献していくことが重要だと考えています。
これまでご紹介してきたように、NMRパイプテクター®は国内外問わず、配管内赤錆防止効果を実証し確かな導入実績を残して参りました。
NMRパイプテクター®は圧倒的な防錆効果・コストパフォーマンス・工事の簡易性が支持され、導入例数は4,300棟以上にものぼります。(2022年3月現在)
配管内の赤錆で困っている方は、ぜひ日本システム企画株式会社までお問い合わせください!
まずはお気軽にお問い合わせください