更新:2020年7月2日
世界的に問題になっているプラスチックごみによる海洋汚染問題に対して、レジ袋の有料化や大手小売業者のプラスチック利用の廃止など、身近なところでもさまざまな取り組みが始まりました。 とはいえ、まだまだ問題解決には程遠い段階ですが、大きな一歩となる解決策があります。 NMRパイプテクター®の活用です。 一般的なマンションの配管からバッキンガム宮殿や大英博物館といった歴史的建造物に至るまで、さまざまな配管の赤錆問題を解消してきたNMRパイプテクター®ですが、プラスチックごみとどのように関係するのでしょうか 海洋プラスチックごみ問題の背景とNMRパイプテクター®がどのようにその問題解決に寄与するのかについてご紹介します。
海に浮かぶ大量のプラスチックごみ
プラスチックごみにより犠牲となる海洋生物たち
世界的な課題となっているプラスチックごみは、何が問題なのでしょうか。
日本ではプラスチックのリサイクルやリユースが一般的になりましたが、一部はポイ捨てや不法投棄などによって回収されずに海洋へと流出しています。
その過程で小さな破片になり海洋を汚染、海洋生物などの体内に入ってしまい、これが原因で数多くの海洋生物が命を落としています。
また、汚染された魚介類を気付かずに食用してしまう危険性もあり、健康への影響も心配です。
とはいえ、日本をはじめ多くの国が活発にリサイクルするようになったため、さほど大きな問題ではないようにも思えますが、現実には海洋を汚染しているプラスチックごみは約800万トンにも及ぶといわれています。
ここで問題になるのが、インドネシアやバングラデシュ、ベトナムといった人口の多い都市を抱える発展途上国です。
これらの国々は海洋プラスチックごみ問題の最大の要因となっているペットボトル飲料を大量に消費しており、その多くが河川などを通じて海洋に流れています。
水面が見えないほど河川に大量に浮かぶペットボトル。
日本では考えられませんが、発展途上国では珍しくない光景です。
そもそも、これらの国は何故ペットボトル飲料を大量に消費するのでしょうか。
それは、安全性において信頼できる飲み物が他にないからです。
日本では安全性を疑うことなく水道水を気軽に利用できます。
ところが問題となっている国々の都市部は水道水を配備してはいるものの飲用に適した水質ではありません。
配管の内部で赤錆が大量に発生し、塩素(カルキ)を投入しても殺菌成分が消失してしまい雑菌が繁殖している状態です。
水道水が飲み水としては不適切なため、ペットボトル飲料の消費量が多いのです。
深刻な発展途上国の水問題
配管内の赤錆防止装置「NMRパイプテクター®」
インドネシアやバングラデシュ、ベトナムなど、該当する12か国の都市部には1億人以上の人口があります。
彼らがペットボトル飲料に頼らず水道水中心の生活を送ることができれば、海洋プラスチックごみの大幅減少が見込めるでしょう。
しかし、解決にはいくつかの問題が立ち塞がります。NMRパイプテクター®はそれらの問題も解決する事が可能になります。
水道水を飲用できるレベルにまで改善するには、赤錆を解消する必要があります。
方法としては、薬品の投与、配管内の洗浄、配管を新しいものに取り換える配管更新などがありますが、薬品の投与や配管の洗浄は一時的な効果しかないため定期的に継続しなければならず、ランニングコストがかさみます。
配管更新は水質を大幅に向上できますが、やはり膨大なコストがかかるため、これらの地域では予算的に実現不可能といえるでしょう。
配管内の赤錆防止装置「NMRパイプテクター®」
鉄をコーティングする黒錆の例「南部鉄瓶」
発展途上国における水道水の水質問題を解決すれば、プラスチックごみに起因する海洋汚染問題を改善できる見込みがある。しかし、現状のアプローチではなかなか解決の糸口が見つからない――。
そんな状況を打破できるのでは?と期待されているのが、日本システム企画株式会社が独自に開発した配管内赤錆防止装置NMRパイプテクター®です。
コストがかさむ薬剤の投与や配管の更新ではなく、既存の配管を利用したまま赤錆問題を解消でき、大掛かりな工事も要りません。
配管の赤錆による腐食は私たちの住まいでも起こりえる現象ですが、国内でも既に多くの建物にNMRパイプテクター®が導入されており、その防錆効果を証明しています。
水道局とも共同で効果検証を行っており、水道配管の防錆や水道水の殺菌効果の持続性などについて高い効果が期待されています。
海外でもさまざまな施設・建造物がNMRパイプテクター®を導入していますが、実は今回問題となっている地域でも水質向上の事例があります。
ベトナム・ビンフック省フォン カン地区でのケースです。
敷設15年の配水管では、赤錆により赤水が発生しており、水質検査の結果、NMRパイプテクター®設置予定箇所より南約500m地点で鉄分値が23.0㎎/ℓと非常に高い数値である事がわかりました。これは赤錆腐食が非常に進行している事を示す数値です。
その後、NMRパイプテクター®を2016年7月29日に設置し、15週間後に採水検査を行いました。その結果、鉄分値は2.5㎎/ℓと大幅に減少しました。
その後の追跡調査で現在は、鉄分値0.03㎎/ℓ未満と配水管からの赤錆の溶出は完全に無くなりました。
また、濃い色の赤水についても完全に無色の水となり、その防錆効果が目視でも確認できました。
このように、赤錆によって水質が悪化していましたが、NMRパイプテクター®の設置によって飲用に適するレベルまで水質を改善することができました。
配管内の赤錆防止装置「NMRパイプテクター®」
赤錆に効果的にアプローチできるNMRパイプテクター®の仕組みを確認していきましょう。
赤錆は配管の素材である鉄が錆びる現象で、配管の詰まりや水漏れを引き起こし、腐食によって配管の寿命を縮めます。
また、赤錆が配管を流れる水に溶け出すことで水質が悪化、水が赤茶色く濁るといった、赤水が発生してしまうこともあります。
赤水は健康への悪影響が懸念され、飲用には適しません。
NMRパイプテクター®は赤錆を黒錆へと変化させる装置です。
黒錆は赤錆と違って鉄をコーティングする働きがあり、赤錆で脆くなった配管を強化し、寿命を引き延ばしてくれます。
水に溶け出さないため身体への影響も心配ありません。
NMRパイプテクター®は配管の切断など必要なく簡単に設置できるため短期で運用開始でき、ランニングコストがかからない点も魅力的です。
雑菌やぬめり、水垢汚れなども防ぐため、より安全性の高い水の供給が可能になります。
NMRパイプテクター®は、配管更新の10分の1から20分の1の費用で発展途上国の抱える水道管の赤錆問題を解消し、飲用可能な水質に改善できます。
飲用可能な水道水が広く行き渡ればペットボトル飲料の消費も減少するでしょう。
河川などにペットボトルを投棄しているのが1億人だったとして、1人1日2本削減できれば、500mlペットボトルに使われているプラスチックの重さは約25gなので、これだけで年間約200万トンのプラスチックごみを減らせる計算になります。
海洋に流出している総量の4分の1に及ぶ量です。
私たちもポイ捨てや日常的なプラスチックごみを減らすなどの努力を重ねる必要はありますが、NMRパイプテクター®がプラスチックごみによる海洋汚染の解消に大きな一助となることは間違いないでしょう。
安全性の高い水道水を世界中の多くの人届けるためにもNMRパイプテクター®のスピーディーな普及が望まれるところです。
メディア向けのNMRパイプテクター®説明会の様子
世界的な課題となっているプラスチックごみの海洋汚染は、日本の高い技術力が生み出したNMRパイプテクター®を発展途上国の都市部に設置することで大幅な改善が期待できます。
ところで、水道水の水質悪化の原因である赤錆は、身近なところでも起きる現象です。
水が濁る赤水に至っていなくても赤錆が溶け出している可能性があります。
まずは身近な水道水の安全をNMRパイプテクター®で確保してみてはいかがでしょうか。