更新:2020年7月2日
水道の蛇口をひねった時に、赤く濁った水が出てきて驚いたことはありませんか。
これは赤水と呼ばれるもので、配管の内側で発生・堆積した赤錆の一部が水道水に溶け出し、引き起こされるトラブルです。
今、全国で老朽化したマンションが増えており、こうした赤錆に起因する配管トラブルに見舞われる建物が年々増えています。
そんな中、日本システム企画株式会社の代表商品である、配管内赤錆防止装置NMRパイプテクター®が、テレビ東京の経済情報番組「ワールドビジネスサテライト(WBS)」にて取り上げられましたので、その内容をご紹介します。
WBS撮影の様子
赤錆劣化した配管内イメージ
番組では、東京都世田谷区にある築12年(2017年当時)のマンションが紹介されました。
マンションの給水管内側を内視鏡でチェックしてみると、わずかに赤錆が見えます。給水管の接合部で赤錆が発生している状態でした。
「まだ少ないとはいえ、赤錆が発生しているのは気持ちいいものではないです。築年数を重ねるとともに、状況が悪化することは避けたいです。」と、マンションオーナーである稲山さんは話します。
配管の素材である鉄が水と酸素によって酸化されることで赤錆は発生します。 赤錆は水に溶けやすいため、水道水の味やにおいに悪影響を及ぼすばかりか、見た目にはっきりと分かるほど色を変えてしまう事もあります。 赤錆の発生と堆積が進んでしまった結果、配管の内側を閉塞してしまう場合もあります。そうなると水の出が悪くなったり、詰まったりしてしまいます。 また漏水にも気をつけなければなりません。 赤錆による腐食が進行し、配管に穴をあけてしまうケースや、配管を接合しているねじ山が脱落して漏水につながるケースなど原因は様々です。 漏水は住居者の生活や施設運営に多大な被害を及ぼします。 また、建物そのものへのダメージも無視できません。 重度の漏水が発生するほど配管の腐食が進んでしまった場合、配管を新しいものに取り替える他なくなります。これには膨大な時間とお金がかかります。
赤錆劣化した量水器との接合部分
配管内の赤錆防止装置「NMRパイプテクター®」
前述の世田谷区のマンションでは、赤錆による配管の腐食が進行してしまう前に、早めの対策として日本システム企画株式会社が開発した「NMRパイプテクター®」を導入しました。 NMRパイプテクター®は、配管の外側に取り付けるだけで設置が完了するので、断水を伴う大規模な工事は必要なく、一般的なマンションの給水管であれば、配管を取り替える場合と比べて5分の1~10分の1程度の費用で済みます。 NMRパイプテクター®は赤錆発生の初期段階での導入はもちろん、使用年数が20年以上経過し劣化の進んだ給水管でも効果を発揮します。 ただし、漏水やネジ山が脱落するほど腐食が進んだ給水管では、NMRパイプテクター®でも対応が難しい場合があります。 その為、今回ご紹介した世田谷区のマンションのように早めの対策が重要です。
赤錆を黒錆に変化させるNMRパイプテクター®-NMRPT- 水の分子は、1つの酸素の原子と2つの水素の原子でできています。 その水分子がたくさん集まり、大きな凝集体となって水を作り上げているのです。 NMRパイプテクター®は、装置から出る電磁波によって、水分子の大きな凝集体を小さな凝集体に変化させます。 水分子の凝集体が小さく変化し、その水が流れるエネルギーで水中から自由電子である水和電子が飛び出しますが、この水和電子によって赤錆は黒錆に変化します。
水分子の中に隠れている水和電子を利用します
鉄をコーティングする黒錆の例「南部鉄瓶」
赤錆が黒錆に変わったところで黒錆も錆には違いないだろう、大丈夫なのかと不安になる方がいるかもしれません。 あらためて黒錆の特徴について簡単にご説明します。 赤錆は水に溶けやすいとお話しましたが、黒錆はその真逆で、水に溶けない性質を持ちます。 番組では、赤錆と黒錆を水の中で二分間かき混ぜる実験が行われました。 赤錆の方はたちまち水が薄い赤色に変化しましたが、黒錆の方は水の色が変化することはなく、黒錆は水に溶けないということを示唆する実験結果となりました。 また、黒錆は非常に硬い物質で、鉄の表面に緻密な皮膜を形成し、鉄を腐食する赤錆から鉄を守ります。 そのため、古くから南部鉄瓶や中華鍋などの鉄製品のコーティングにも使用されてきました。 NMRパイプテクター®は赤錆を黒錆に変化させることで、配管の劣化の進行を止めるだけではなく、配管の強化も実現しているのです。 黒錆の効果で、配管の寿命を40年以上延ばすことも可能です。
NMRパイプテクター®は日本のみならず世界でも導入実績が豊富です。 特にイギリスでは有名な歴史的建築物にも数多く導入されています。 築300年以上のバッキンガム宮殿や、大英博物館をはじめ、高級ホテルやデパート、病院などでも使用されています。 これらについては、NMRパイプテクター®の設置による防錆効果についての記事を多数載せているので是非ご参考ください。 NMRパイプテクター®は世界的にも高く評価されているのです。
NMRパイプテクター®を導入した「バッキンガム宮殿」
これまで、NMRパイプテクター®の市場は、建物内の配管の維持メンテナンスが主でした。
日本システム企画株式会社の熊野社長は、NMRパイプテクター®のもつ水の性質そのものを変える働きを活用すれば、より多くの人に喜んでもらえるのではないかと考え、他業種への展開を模索していると番組のインタビューで話しました。
NMRパイプテクター®の活用の場を広げる試みは、農業分野で始まっています。 兵庫県姫路市にある「みつヴィレッジ」では、ビニールハウスに水を送る配管にNMRパイプテクター®が取り付けられています。 NMRパイプテクター®は水分子の凝集体を小さくする働きがありますが、小さくなった水の凝集体は植物に浸透しやすいため、作物がよく育つだろうと考えられています。 その仮説を検証するため、みつヴィレッジでは、約2年前からトマト栽培による実証実験が行われてきました。 番組内では、通常の水で育てたトマトと、NMRパイプテクター®が設置された給水管の水で育てたトマトの重さが比較されましたが、後者のトマトの方が16グラムも大きく育っていました。 これまでの検証からも、NMRパイプテクター®が設置された給水管の水で育てると、トマトの収穫量はおよそ7パーセント増加する事が分かっています。 日本システム企画株式会社の担当者は、「水という1点を突き詰めると、NMRパイプテクター®には色々な可能性がある。より信頼度の高いデータを蓄積できれば、日本の農業全体に貢献できる技術になる。」と話します。
NMRパイプテクター®でトマトの収穫量が増加
NMRパイプテクター®は、1996年に発売されて以来、建物の給水管や空調冷温水配管などの配管の赤錆に関する問題を低コストかつ大規模な工事をすることなく解決し、多くのお客様に支持されてきました。 水の性質を変えるNMRパイプテクター®の機能を活かし、様々な分野への展開が期待されています。