更新:2020年9月25日
配管は建物の給排水や空調に使われ、住まいや様々な施設を支える重要な建築設備です。
そしてその種類は建物が建てられた年代や、配管の使用用途に応じて様々です。
今回は、配管内赤錆防止装置であるNMRパイプテクター®が東京理科大学の複数のキャンパスで採用された事例をご紹介します。
東京理科大学の事例を通して、NMRパイプテクター®が特定の配管だけではなく様々な種類の配管に柔軟に対応し、その優れた防錆性能を発揮出来るということを知って頂ければと思います。
錆びた配管イメージ
東京理科大学の導入事例をご紹介する前に、まずは建物の配管に良く使われている3つの配管(亜鉛めっき鋼管・塩化ビニルライニング鋼管・ステンレス鋼管)についてご紹介します。
亜鉛めっき鋼管は赤サビが発生しやすく現在では給水管に用いられる事は少なくなりましたが、1970年代前半頃までの建物には広く使われていました。 酸化亜鉛の皮膜で表面を覆い、鉄素地を保護する事で防錆を実現しています。 しかし亜鉛めっきが劣化するとそこから赤錆が発生しやすく、亜鉛めっき鋼管の耐用年数は10~20年ほどとあまり長くありません。
現在使用されている建物の多くでは、給水管に塩化ビニルライニング鋼管が用いられています。 鋼管の内側に塩化ビニルがコーティングされており、直管部分は赤錆が発生する事はありません。 一方で配管と配管の継ぎ手では赤錆が発生しやすく、そこから赤錆が成長して赤錆閉塞と言われる詰りの発生や、さらに腐食が進行するとネジ山の赤錆腐食による脱落などが起り、漏水の原因にもなります。 亜鉛めっき鋼管より耐用年数は長く30年ほどです。
ステンレス鋼管は腐食に非常に強く、耐用年数も30~40年ととても長いです。 ただし高額なため、建物全体の配水管をステンレス鋼管にするというのはあまり現実的でありません。 またステンレス製といえども完璧な防錆を実現している訳ではなく、エルボ部と言われるL字形をした継手や配管と配管を繋ぐフランジなど溶接が使われている部分が弱点で、そこを起点に赤錆が発生してしまいます。 以上が配水管に良く使われている3つの配管(亜鉛めっき鋼管・塩化ビニルライニング鋼管・ステンレス鋼管)の特徴です。
東京理科大の神楽坂キャンパスは、NMRパイプテクター®導入当時築26年でした。 給水管には塩化ビニルライニング鋼管が採用されており、給水管継手部分で深刻な赤錆閉塞が発生していました。 NMRパイプテクター®設置前にトイレ給水配管で閉塞率の検査を行ったところ、その閉塞率は35%でした。
NMRパイプテクター®を導入し、その10ヶ月後おなじ場所で再検査が行われました。 検査の結果、赤錆閉塞率は31%にまで減少していることが分かりました。 赤錆の発生、堆積が停止したどころか、既存の赤錆がより体積の小さい黒錆に変化したことで赤錆閉塞が改善したのです。今後はさらに黒錆化が進み、閉塞率も低下することでしょう。 耐用年数に近づくと配管内部では指数関数的に赤錆が増えていきますから、この結果は本当に驚くべきものです。
東京理科大学の野田キャンパスの建物は、その当時築10年程度でしたが、亜鉛メッキ鋼管を使用している空調管内で赤錆が発生し、劣化がかなり進んでいました。 日本冷凍空調工業会の定める水質基準値は鉄分1.0mg/Lなのに対し、空調管内の循環水は鉄分6.0mg/Lというとても高い数値を示しており、色も透明ではなく赤褐色に濁っていました。
赤錆腐食の進行した空調管でしたが、NMRパイプテクター®を設置したところ、たった2週間で0.5mg/Lまで循環水の鉄分値は減少し、水質基準値をクリア、そして設置4週間後には鉄分0.3mg/Lとさらに減少し、赤錆問題は見事解決しました。水の色ももちろん透明になっています。
東京神楽坂に本部のある「東京理科大学」
NMRパイプテクターを採用することによって大幅にコストを削減
東京理科大ではもともと10~15年後に建て替えを予定していた校舎や施設の配管の延命を目的にNMRパイプテクター®が導入されました。 延命せず配管を更新する事も検討されましたが、NMRパイプテクター®を採用することによって大幅にコストを圧縮する事ができました。
ところで実現できたコスト削減はそれだけではありません。 当初、建て替え後の建物にはステンレス鋼管の使用が検討されていました。 しかし、NMRパイプテクター®の高い赤錆防止性能が実証された事から、NMRパイプテクター®を設置すればワンランク下の配管でも問題ないだろうと判断され、「塩化ビニルライニング鋼管+NMRパイプテクター®」という構成で配管周りの設計は見直されました。 はじめにお話しした通り、ステンレス鋼管は大変高価ですからその使用を避けられたことはコスト面で非常に大きな貢献です。
加えて、旧校舎で使用されているNMRパイプテクター®を移設すればよいので、NMRパイプテクター®を追加購入する必要もなく、最低限のコストで強固な配管の防錆を実現することができました。
NMRパイプテクター®は一般的な給水管であれば、配管更新費用の1/10~1/5の費用で設置可能です。 実例を挙げますと、日本赤十字社旧医療センターでは当初試算されていた配管更新費用(2億円)の10%以下の費用でNMRパイプテクター®を導入し、配管の赤錆問題を解決する事が出来ました。 NMRパイプテクター®は、なぜこのように低コストでかつ断水を伴うような大規模な設置工事を要することなく導入可能なのでしょうか。 その秘密は日本システム企画株式会社が独自に開発した「NMR(磁気共鳴)工法」にあります。
NMRパイプテクター®は特定の電磁波によってNMR(磁気共鳴)を引き起こし、配管内の水の水分子に含まれる自由電子(水和電子)を水の運動エネルギーで剥離させ、化学変化により赤錆を黒錆に還元する事を行います。 そしてその効果は通常の給水管であれば150メートルほど持続します。 そのため基本的には建物一棟につき、配管一系統にNMRパイプテクター®を1台設置すれば良く、 ポンプ直送方式や圧力水槽方式の建物であれば給水ポンプの直後に、高架水槽方式であれば高架水槽の直後に装置を設置するだけで各家庭に延びる給水管まで防錆する事ができます。
先程少しお話ししましたNMR(磁気共鳴)について詳しくお話しいたします。 水の分子は、1つの酸素の原子と2つの水素の原子でできています。 その水分子がたくさん集まり、大きな凝集体となって水を作り上げています。 NMRパイプテクター®は、装置から出る電磁波によって、水分子の大きな凝集体を小さな凝集体に変化させます。 水分子の凝集体が小さく変化し、その水が流れるエネルギーで水中から自由電子である水和電子が飛び出しますが、この水和電子によって赤錆は黒錆に変化します。 黒錆は鉄を保護する働きがあり、配管内部で赤錆の黒錆化が進むと、黒錆は赤錆の体積の1/10の大きさの為、赤錆閉塞などは縮小改善し、配管は防錆され、そして強化されます。
NMRパイプテクター®-NMRPT-は設置工事以外の工程が必要ない 赤錆が黒錆に変わるという事は赤錆を除去するための洗浄工程が必要ないという事を意味します。 そして黒錆の皮膜は赤錆の腐食から鉄を守る働きがあるので、内部を保護するための薬剤もいりません。
このように「NMR工法」という日本システム企画株式会社が独自に開発した仕組みによって、極めて少ない工程と資材で建物全体の配水管の更正をNMRパイプテクター®は実現しているのです。
特定の電磁波を水分子に与えると、磁石のようにN極とS極に分極している水分子の電子核が共鳴振動を起こして回転運動をします。この現象を核磁気共鳴(NMR)といいます。
NMRパイプテクター®は様々な種類の配管に柔軟に対応可能です。 ローコストながら非常に優れた防錆性能をもち、配管更新に替わる手段として多くの建物オーナー様よりご好評頂いております。 配管の赤錆トラブルにお困りの方は、ぜひ日本システム企画株式会社までお気軽にお問い合わせくださいませ。 独自開発の「NMR工法」によって、お客様の住まいに安心をお届け致します。