更新:2020年9月25日
日本では高度経済成長期からバブル期にかけて、公共施設やビジネスビル、マンションなど多くの建物が次々と建設されました。
一般的に、鉄筋コンクリートでできた建築物の耐用年数は、40~50年以上と言われ、適切なメンテナンスを施せば竣工から半世紀ほどたった現在でもまだまだ使用可能でしょう。
一方で、給水や空調設備のために使用される配管の耐用年数は20年~30年ほどと言われています。
素材である鉄と内部を通る水が科学反応を起こし、赤錆が発生してしまうからです。
高度経済成長期から20~30年経過した2000年以降、多くの建物で配管が耐用年数に達しその対処が求められるようになりました。
今回紹介する日本大学もまさにそういった背景により配管の赤錆トラブルに見舞われ、NMRパイプテクター®を導入しました。
日本大学について簡単にご紹介します。 1889年、当時の司法大臣であった山田顕義氏が中心となり、律学者11名によって日本大学の前身である日本法律学校が創設されました。 その時代、欧米諸国の法律を学ぶことが主流でしたが、日本の歴史・文化・伝統に立脚した法律学校が必要であるという創設メンバーの考えのもと、日本の法律を学ぶことを重要視した非常にユニークな教育機関でした。 そして1903年に、日本大学と改称し、現在に至ります。
日本の法学を修める学校として出発した日本大学ですが、現在は日本でも最大規模の総合大学となり、文理ともに独自の理念をもって日本の教育を支えています。 NMRパイプテクター®を導入した日本大学工学部は、人と地球にやさしい持続可能な生活様式を工学的観点から研究、提案していく事を目指しており、「ロハス工学」を理念として掲げています。 そういった理念と共鳴してNMRパイプテクター®が採用されたのでしょう。 NMRパイプテクター®はその優れた防錆性能に加え、環境にも非常にやさしい装置です
日本大学は全国にたくさんのキャンパスを持ちますが、NMRパイプテクター®が導入されたのは、福島県郡山市にある工学部のキャンパスです。 工学部のいくつかの研究棟の給水管では赤錆による劣化が著しく、水の使用量が減って配管内部で水が停滞しがちな休日やその翌日などは蛇口をひねると赤水が出てしまうような状況でした。 研究棟はそれぞれ1970年代に建築され、NMRパイプテクター®が導入されたのは2001年ですから、その時点で配管寿命をとうに過ぎていたことが察せられます。
赤錆対策として、配管更新工事(配管を取り換える工事)も候補として挙がりましたが、配管更新工事は膨大な費用を必要とし、施設運営も長期間停止しなければならないという事情から、その代替となる対処法が検討されました。 そこで、NMRパイプテクター®に白羽の矢が立ったのです。 なぜNMRパイプテクター®が選ばれたのか、その理由をいくつかご紹介します。
NMRパイプテクター®が導入されたのは
福島県郡山市にある日本大学工学部のキャンパス
水質検査イメージ
NMRパイプテクター®の特徴はなんと言ってもその優れたコストパフォーマンスです。 例えば通常のマンションの給水管であれば、配管更新の5分の1から10分の1の費用でNMRパイプテクター®を導入する事ができます。 また設置工事が非常に小規模で済む事も魅力のひとつでしょう。 配管の外側に装置を設置するだけで済み、大規模な設置工事を必要としません。 また、設置工事中の断水の必要もありません。 そういった優れた点が評価され、日本大学工学部ではNMRパイプテクター®の導入が進められました。
ところで、日本大学の高松事務局長(当時)も「最初は防錆効果について半信半疑だった」と話している通り、誰もが気になるのはその防錆性能です。 NMRパイプテクター®導入に際し、その前後で日本大学物質化学工学科の平山和雄教授(当時)による水質検査が行われました。
設置後1ヶ月後に行われた検査の結果はまさにNMRパイプテクター®の優れた性能を証明するものでした。 NMRパイプテクター®の設置によって水中鉄分値はなんと設置前の1/10以下の値(設置前7.8mg/L→設置後0.1mg/L)にまで低下したのです。 もともとは水道法水質基準値(0.3mg/L)を超過するほどの鉄分値で、非常に深刻な状況でしたが、その基準値を大幅に下回り、見事衛生的に申し分ない水質まで回復しました。 その改善をたった1ヶ月という短い期間で実現したこともまた、驚くべき点です。 この結果を受け、日本大学では、学内の他の施設にもNMRパイプテクター®の導入を検討しています。 NMRパイプテクター®はこのように防錆性能に非常に優れた装置ですが、環境への配慮も行き届いています。
赤錆が発生した配管を交換しないで使い続けるための更生方法は、NMRパイプテクター®の設置以外にもいくつか手段はあります。 例えば、パイプライニングがありますが、この工法は配管内の研磨による赤錆除去作業によって、配管がどうしても傷ついてしまいます。 そのため7~10年以内には結局配管を交換せざるを得ず、古い配管は廃棄物となります。 また、パイプライニングは内部に赤錆に強い特殊な樹脂を塗装する工法ですが、樹脂の性質上、完全に硬化させる事は難しく、健康への悪影響が判明しているビスフェノール類を含むその塗料が水に溶け出すことが懸念され、環境への負荷が全くないとは言い切れないのが実情です。
一方で、NMRパイプテクター®はどうでしょうか。 NMRパイプテクター®最大の特徴は配管内部を腐食するやっかいものである赤錆を逆に利用する点です。 NMRパイプテクター®は装置から出る電磁波によって、配管内部の赤錆を黒錆に還元させます。 黒錆は腐食に強く、鉄を保護する作用があり、古くから鉄製品の錆防止のために活用されて来ました。 NMRパイプテクター®はこの黒錆によって配管の防錆と強化を実現しています。 そのため、赤錆を取り除くための洗浄や配管内部を保護するための樹脂などの使用、また環境負荷の大きい防錆剤といった薬剤を一切必要としません。 消耗する資材などもなく導入後のメンテナンスはほとんど不要です。 そして黒錆の結晶による被膜は強固なため、配管寿命を40年以上延命することが可能です。 これは建物寿命に匹敵する数値で、延命として申し分ありません。
福岡県大手自動車メーカー工場での導入事例
左:設置前、右:NMRパイプテクター設置9ヶ月後
配管内の赤錆防止装置「NMRパイプテクター®」
NMRパイプテクター®はその優れた防錆性能もさる事ながら、環境にも非常にやさしい装置である点が国内に留まらず世界中で評価されている理由です。
まさに「ロハス工学」的であり、ロハス工学を理念として掲げる日本大学工学部が導入を進めていることにも納得です。
今後ますます、活躍の場が拡がっていくことでしょう。
配管内の赤錆腐食について少しでも気になることがあれば、ぜひ日本システム企画株式会社までお気軽にお問い合わせ下さい。