更新:2020年10月21日
今回は築年数が40年以上経過していた建物でNMRパイプテクター®が導入された事例をご紹介致します。
2013年にイギリスの名門大学であるロンドン大学シティ校でNMRパイプテクター®が採用されました。
はじめにロンドン大学シティ校の沿革についてお話しします。
1894年にノーザンプトン研究所として創立され、その後1966年に大学となりシティ大学と名付けられました。
そして、2016年にロンドン大学に加盟し、ロンドン大学シティ校という名称に変わり現在に至ります。
ロンドン大学シティ校を構成するスクールは「ロースクール」「健康科学スクール」「ジャーナリズムスクール」「コンピューター科学スクール」「ビジネススクール」の五つです。
「教育、研究および知識のビジネスへの移転、および専門性でロンドンを主導すること」をミッションとしているだけあり、卒業生は幅広い分野でリーダーとして活躍しています。
特にロースクールでは、イギリス初の女性首相であるマーガレット・サッチャーや「インド独立の父」として名高いマハトマ・ガンディーをはじめ非常に優れた指導者をこれまで輩出してきました。
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イギリスの名門大学 ロンドン大学シティ校
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1966年に大学となったロンドン大学シティ校ですが、NMRパイプテクター®が導入された2013年当時、築年数が40年以上経過している建物も少なくありませんでした。
NMRパイプテクター®が導入された建物も築43年と非常に古く、空調温水配管に深刻な赤錆問題を抱えていました。
ロンドン大学シティ校では空調温水配管にSGP(亜鉛めっき鋼管)を使用していました。
SGPは酸化亜鉛の皮膜で表面を覆い、鉄素地を保護する事で防錆を実現している配管です。
しかし亜鉛めっきが劣化するとそこから赤錆が発生しやすく、SGPの耐用年数は10~20年ほどとあまり長くありません。
そのため、築年数が40年を超えたロンドン大学シティ校の空調温水配管では赤錆が発生し、劣化が著しく進行していました。
赤錆の溶出によって水が茶色く濁る赤水や、配管接合部からの漏水の発生など一刻も早く対策をする必要がありました。
水中鉄分値の計測では3.41mg/lという非常に高い数値が示されました。
比較のために、日本冷凍空調工業会の定める水質基準の例を挙げますと、鉄分値は1.0mg/l以下である事が求められています。
このように深刻な赤錆問題を抱えていたロンドン大学シティ校の空調温水配管でしたが、NMRパイプテクター®設置後わずか2週間で赤錆の進行が完全に停止します。
導入前3.41mg/lだった配管内循環水の鉄分値が、なんと0.08mg/lまで減少したのです。
理論的には75%以上の既存の赤錆が黒錆へと還元された事になります。
黒錆は鉄を赤錆腐食から保護する作用があり、さらに赤錆の1/10ほどの体積の強固で緻密な結晶であるため配管を強化します。
この黒錆の作用によって、ロンドン大学シティ校の空調温水配管は40年以上使用する事が可能となりました。
日本国内において鉄筋コンクリートでできた建築物の耐用年数は、一般的に40~50年程度と言われており、40年以上の配管の延命は建物寿命にも匹敵する十分な更生です。
NMRパイプテクター®のメリットは大きく次の三つが挙げられます。
NMRパイプテクター®の設置工事は断水が不必要で非常に小規模です。
基本的には配管一系統につき、ひとつ装置を設置すれば十分で、その防錆効果は一般的な給水管であれば150メートルほど持続します。
配管の外側に設置するので断水の必要もなく、施設運営を持続したまま工事可能です。
ロンドン大学シティ校
実際のNMRパイプテクター設置箇所
ロンドン大学シティ校の空調温水配管は、築後47年が経過しており、NMRパイプテクター®設置前の温水中の鉄分は、赤錆により3.40mg/lと大変高い値を示していました。
その温水中の鉄分は、NMRパイプテクター®を設置して2週間後には、0.084mg/lとNMRパイプテクター®の防錆効果によって、配管内の赤錆は黒錆に変化し、その硬い皮膜で強化されつつあることが実証されました。これにより、NMRパイプテクター®を使い続ける事で、将来にわたって配管を取り替える必要がなくなる事も証明されました。日本で一般的に導入件数が多い、マンションの給水管の防錆の為に使用された場合、NMRパイプテクター®は雑菌の増殖を抑制し、
それによるぬめりや腐敗物、水垢などの汚れの発生を防ぐことができるため、通常であれば3~4年毎に繰り返される配管洗浄を減らす事も可能です。
NMRパイプテクター®の装置そのものも基本的にメンテナンスは不要ですので、配管メンテナンスのコストは最小と言えるでしょう。
このようにNMRパイプテクター®の導入によって、配管更新が不要になり、また配管洗浄といった作業を削減できるのはコスト面ばかりではなく、環境保護の観点からも非常に重要なポイントです。
こういった作業では必ず廃棄物処理を伴うため、環境負荷が非常に大きく、それを避けられることは大きなメリットです。
加えて、NMRパイプテクター®は防錆剤をはじめとした一切の薬品を必要としません。
NMRパイプテクター®で採用されているNMR(核磁気共鳴)工法はまさにエコな工法だといえるでしょう。
ロンドン大学シティ校でのNMRパイプテクター®導入事例を通して、NMRパイプテクター®の優れた防錆性能をお分かりいただけたかと思います。
NMRパイプテクター®は圧倒的な防錆効果・コストパフォーマンス・工事の簡易性が支持され、導入例数は国内外で4,200棟以上にものぼります。(2020年3月現在)
NMRパイプテクター®の導入を検討されたいという方は、ぜひ日本システム企画株式会社までお問い合わせください。