更新:2020年10月23日
ロンドン
イメージ by photoAC
配管内赤錆防止装置NMRパイプテクター®は日本だけではなく、世界中のホテルの空調・給湯配管の漏水防止に採用されています。
世界の著名なホテルの空調、給湯配管の漏水防止のために導入された事例として、今回は英国の「マンダリン・オリエンタル・ハイドパーク・ロンドン」にNMRパイプテクター®が給湯配管の赤錆および漏水対策として導入された事例をご紹介します。
マンダリン・オリエンタル・ハイドパーク・ロンドンはイギリスでも格調高い5つ星ホテルです。
ロンドンの王立公園の一つであるハイドパークに面しており、バッキンガム宮殿から非常に近い場所に位置しています。
豪華絢爛な装飾が施された部屋を多数有するマンダリン・オリエンタル・ハイドパーク・ロンドンの建物は、もともと会員制紳士クラブのために建築されたものです。
1889年に竣工しましたが、計画自体はその数年前より進められていました。
建設にあたって数々の反対にあい、完成が遅れたのです。
一番の理由は、100フィート(約30メートル)というその高さにありました。
マンダリン・オリエンタル・ハイドパーク・ロンドンは、計画ではその当時のロンドンで最も高い建物となる予定で、日照権などを主張する反対者達はハイドパークに背の高いバリケードを形成し、建設現場に日が入らないよう妨害工作をするなどしました。
そればかりではなく、反対者達は建物の高さ制限を100フィートから60フィート(約18メートル)にするよう議会へ法案を提出しました。
幸い、その法案は受理される事なく、もとの設計通りに建設は行われました。
そして冒頭でお話し致しました通り1889年に竣工し、会員制紳士クラブとしてオープンしたのです。
マンダリン・オリエンタル・ハイドパーク・ロンドン
イメージ:”https://www.mandarinoriental.com/london/hyde-park/luxury-hotel”
火災イメージ
イメージ by photoAC
ところが竣工から10年後の1899年、悲運が襲います。
なんと大火災が発生してしまったのです。
建物の西側に深刻なダメージを受け、最上階の天井全体も焼けて落ちてしまいました。
火事による被害は甚大で補修に数年を要しましたが、リノベーション工事なども行われ、1902年に会員制紳士クラブはハイドパーク・ホテルとして再出発を切ります。
ホテルとしての再開を期に、もともとハイドパーク側にあったエントランスはその反対のナイトブリッジ側に設けられました。
ハイドパーク側の入り口は、現在まで、イギリス王室に加えて日本の皇室をはじめとする限られた国賓にのみ開かれる特別なエントランスとなっています。
そして2000年にハイドパーク・ホテルはマンダリン・オリエンタル・ホテルグループに買収され、現在の名称であるマンダリン・オリエンタル・ハイドパーク・ロンドンへと変わりました。
マンダリン・オリエンタル・ハイドパーク・ロンドンでは、給湯配管に亜鉛めっき鋼管(SGP) を使用していました。
亜鉛めっき鋼管は耐用年数が20年程度ととても短いのですが、マンダリン・オリエンタル・ハイドパーク・ロンドンの給湯配管内でも赤錆が発生しており、水の衛生状態はよくありませんでした。
腐食は鉄管と銅管の異種金属接合部を中心に進行していました。
異種金属接合部など異なるイオン化傾向(≒サビやすさ)をもつ金属同士が触れている場所では、イオン化傾向が大きい方の金属(この場合は鉄)の酸化が加速度的に進行してしまうため漏水が発生していました。
また水質について具体的な数値を挙げますと、イギリスの水質法に基づく水中鉄分の基準値が0.2mg/lであるのに対し、マンダリン・オリエンタル・ハイドパーク・ロンドンの給湯配管の水中鉄分値は13.35mg/lでした。
基準値を大幅に超える値であり、いかに配管内の赤錆劣化が深刻な状況であったかが分かります。
また、漏水もすでに一部発生していました。NMRパイプテクターを給湯ヘッダーに設置した後、4週間で給湯配管の中の鉄分値は0.004mg/lまで低下し、英国の飲料水規定値0.02mg/lを大幅に下回りました。
このことでNMRパイプテクターにより給湯配管内の赤錆が体積1/10で水に不溶性の黒錆に変化し、赤錆劣化が完全に防止され、今後の漏水も完全に防止されたことが確認されました。
このままNMRパイプテクターを使用し続ければ給湯配管は建物寿命まで延長できることが検証されました。
配管内の赤錆イメージ
鉄をコーティングする黒錆の例「南部鉄瓶」
赤錆は配管を腐食し、もろくしていくものであり、水にも溶けやすく赤水の原因になります。 一方でNMRパイプテクターにより、赤錆を黒錆に還元する事でそういった問題を一挙に解決する事が可能です。 なぜなら、黒錆は赤錆の1/10程の体積の非常に緻密な結晶だからです。 黒錆の皮膜は鉄素地を保護するために鉄瓶や中華鍋をはじめ、様々な鉄製品で活用されてきた歴史があります。 奈良時代や平安時代に作られた神社やお寺の釘、蝶番などが数百年後の現在も朽ちる事なく使用され続けているのは、まさに黒錆の皮膜のお陰です。 また、このように安定した強固な物質ですから、黒錆は水に溶け出す事もありません。空調・給湯配管も漏水が防止され建物寿命まで延命されます。
NMRパイプテクター®は、ホテル空調・給湯配管内部に発生した赤錆を黒錆に還元する際、水和電子と呼ばれる水の自由電子を利用します。
水和電子は液体の水の場合、凝集体(水分子のクラスター)の内側にあるため、水が運動しても剥離放電しません。NMRパイプテクター®は特定の電磁波を発し、水分子の水素核に共鳴振動を起こして回転運動させます。
この共鳴振動は核磁気共鳴(NMR)と呼ばれ、この現象で水の凝集体の大きさを積乱雲の雲のように小さくし、内部に存在していた水の自由電子(水和電子)をクラスターの外側に移動させ、その状態の水を運動させ、水和電子の剥離放電を雷のように発生させます。
そしてこの水和電子(e-)を配管内の赤錆に供給することで、赤錆を黒錆へと還元しています。
この化学変化を化学式で表わすと「6FeO(OH)(赤錆)+2e-(電子)→2Fe3O4(黒錆)+2H2O(水)+2OH-(水酸基)」となり、鉄(Fe)が水中の水分子(H2O)と溶存酸素(O2)で膨れた状態の赤錆Fe2O3・H2O(FeO(OH))から再び水分子と酸素分子は切り離され、体積1/10の黒錆(Fe3O4)になります。
鉄(Fe)は水中の溶存酸素(O2)と水分子(H2O)で酸化され赤錆(FeO(OH))になり、体積が増加します。
赤錆(FeO(OH))は電子(e-)により還元された時に水分子と酸素分子が切り離され体積が1/10の黒錆(Fe3O4)に変化します。
配管内で起こる酸化とNMRパイプテクターによる還元の化学式
NMRパイプテクター®が2020年の防錆技術トップ10に選ばれました
NMRパイプテクター®の優れたホテル空調・給湯配管の赤錆・漏水防止機能および、それを実現する仕組みについてお分かり頂けましたでしょうか。
日本が世界に誇るこのNMRパイプテクターの防錆技術は、米国の製造技術誌「マニュファクチャリング・テクノロジー・インサイト(2020年3月12日)」でも防錆技術世界のトップ10として紹介されています。
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